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結核って、まだあるの?(12/9/29)

結核って、まだあるの?(12/9/29)

日本における結核患者は、今でも年間2万3000人(2010年)が新たに発病し、世界の中でも、中(くらいの)蔓延状態にある国と言われています。その中でも、大阪府は罹患率トップで、最近も、若年層を中心とした集団感染がありました。大阪に住んでいる我々としては放置できません。

結核の症状は、微熱や咳が2週間以上続く、急に体重が減った、身体がだるいなどが挙げられますが、これといった特徴的な症状はありません。ですから、まずは疑うことから始まって、医療機関を受診していただくことが大切になります。

結核を発病しているかどうか診断する方法として、痰などから結核菌を検出する方法(塗抹検査、分離培養法、核酸増幅検査法)と、胸部エックス線写真を撮る方法があります。ただ、結核が強く疑われても、痰などがうまく採れないときが少なからずみられます。そのような場合、クオンテイフェロンと言う、新しい血液検査が威力を発揮します。

現在使われているクオンテイフェロンはQFT-3Gで、血液を結核菌特異抗原(ESAT-6,CFP-10,TB7.7)とともに20時間培養し、特異抗原により刺激を受けたTリンパ球により産生されるインターフェロンγ(IFN-γ)という化学物質を測定し、判定する方法です。

以前より結核免疫の有無はツベルクリン反応によって判定されてきました。ただ日本では小児期に打ったBCG接種の影響があり、偽陽性(本当は結核に感染していないにもかかわらずBCGの影響で陽性と判定される)という問題がありましたが、QFT-3Gでは、BCGの影響をうけないので、より確実な結核診断が可能です。

結核患者が出た場合、周囲の接触者が感染しているかどうかが、気になります。保健所では、接触者健診としてこの問題に対処しますが、胸部エックス線写真とこのQFT-3G検査が中心となります。

注意点:クオンテイフェロンQFT-3Gは血液を採るだけの簡便な検査法でありながら、感度は、92.6%、特異度は98.8%とかなり信用度が高い検査法です。ただ、感染から陽性になるまで、約8週間かかると考えられています。また、6歳未満では反応性が低い場合があります。*クオンテイフェロンは、オーストラリアCellestis社製の全血IFN-γ測定キットの登録商標です。

院長 池田 肇

2012-09-29 21:51:00

コラム

 
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